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低粘度オイルの苦手領域と克服

  • 執筆者の写真: Verior
    Verior
  • 6月5日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月17日

当社でアルキルナフタレンやひまし油エステルを購入する前に相談を受けることがママあるのですが、そうした方々には共通点が見受けられます。


それは、

『0W-20の指定オイルを使用』していて、

かつ不満点として、

『高回転域でフィーリングが悪い』(おそらく機械音が大きいという意味)

というものです。


その上で、ある方はアルキルナフタレンを、またある方はひまし油エステルをそれぞれ添加することで無事に不満点を解消することができたとの報告を受けております。


この共通点から私が考えたことは、

「低粘度オイルは高回転域において、油膜の薄さから機械的摩擦損失が大きくなる」

という推測でした。


0W-20が世に出始めてから20年以上は経っているかと思いますが、やはり粘度からくる根本的な性質による影響までは抑えられないということでしょうか。


その柔らかさゆえに流体潤滑領域(メタル)や油圧経路においては圧倒的に損失抵抗を低く抑えられますが、逆に境界潤滑領域(カム,ロッカー周り)では油膜の薄さが不利に働くのでしょう。


その為、オイルメーカーとしては有機モリブデン(MoDTC(モリブデンジチオカルバメート))を添加することで効果的に摩耗・摩擦低減を図っているようです。


昔は摩耗防止といえばZDDP(亜鉛ジチオリン酸塩)が主流でしたが、硫黄やリンによる触媒への影響や摩擦抵抗増加によるデメリットから、近年は添加量がとても少ない傾向のようです。

(逆に旧車向けオイルには多めに添加されている傾向が強い印象。)


しかしながら、添加量の問題なのかよくわかりませんが、有機モリブデン(により形成される保護被膜)だけでは、高回転域を気持ちよく回すにはいささか力不足なのかもしれません。


つまり・・・


やはり油膜…!油膜は全回転域を解決する…!

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そこで、高性能ベースオイルであるアルキルナフタレンやエステルを入れることで金属面に油膜が定着し、苦手領域である高回転域を克服できたのだと思います。



分子構造は全く違えど、アルキルナフタレンもエステルもフィーリング上の効果は似ていて、どちらも滑らかさを増す効果を持ちます。


次回のブログでは、どちらを使うのが向いているのかを使用条件に合わせて説明したいと思います。

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