粘度指数の捉え方(参考)
- Verior

- 2025年8月2日
- 読了時間: 4分
更新日:2月20日
私のブログを読むような方であればオイル選びの際には商品スペックにも目を通していると思いますが、その一つが粘度指数ですよね。
聞き飽きているかもしれませんが粘度指数について簡単に説明すると、「温度による粘度変化」を示す値になります。
単純に、粘度指数の値が
低い → 低温で硬く、高温で柔い
高い → 低温で柔く、高温で硬い
と言えます。
下のグラフを基に言うと、「粘度指数が高いほどグラフが平たくなって粘度が安定する」ということです。

ただしこれは基準値から見た話ですので、例えば20W-50のような硬いオイルは、粘度指数が高くても低温時はそれなりに硬いですので、「絶対的ではなく相対的な指標」という意味合いを大事にしてくださいね。
┃粘度指数がずば抜けて高いオイルは高性能と言えるのか?
エンジンオイルは低温時に柔らかいほど良く、高温時に硬いほど良いわけですが、それを実現するための代表的なアイテムが「粘度指数向上剤」、つまり高分子ポリマーです。
低温時にはオイルの流動性を妨げず、逆に高温時には流動性に抵抗をもたらす作用が働く、なんとも(良い意味で)都合の良い性質を持っています。

「じゃぁ粘度指数が軒並み280~310なんていうとびぬけた数値を持った某純正GRオイルは超最高じゃないですか!」
「…あれ? GR純正でもNA用のCircuitは粘度指数310だけど、ターボ車用のEnduranceは165しかないぞ。」
「より厳しい環境で使うターボ車用オイルの方が粘度指数が低いの…? よく読んだらノンポリマー処方って書いてる。しかもこっちの方が高価。」
「なんでポリマーを別途加えてる方が安いの? なんで310とかの粘度指数を求めたの? じゃぁ165って低いの?高いの?」
GRオイルに限らず、粘度指数に関してこんな感じのことを思った方も多くいるのではないでしょうか。
┃粘度指数向上剤のデメリット
前段で書きました。「粘度指数は相対的な指標」だと。
あくまで基準値からどれくらい変化するかという指標。
基準値...。
そういえばベースオイルの区分のグループI、グループII、グループIIIとかって、何の要素で分けられてましたっけ?
はい、粘度指数ですよね。

グループVは別として、ベースオイルの性能を決める一因は粘度指数の高さと言えます。
なぜなら最初に書いたように、粘度指数の高さは粘度の安定性の高さだから。
でもそれは素材(ベースオイル)での話。
粘度指数向上剤を使って数値を上げるのは話が別。
なぜか。
粘度指数向上剤にはデメリットがあるから。
1.ピストン運動によってせん断される
→効果が無くなる
→粘度&粘度指数が低下する
2.高温で酸化・分解する
→分解生成物がスラッジ(汚泥)になる
→スラッジを処理するために清浄分散剤の消耗を早める
→塩基価が下がる
→オイルの酸化(寿命)を早める
3.その添加分がもったいない
→粘度指数を上げるためだけに10%前後かそれ以上添加されている
→もし少量or無添加にできればその枠を別の物に使える
粘度指数向上剤ではどう逆立ちしてもベースオイルの耐久性にはかないません。
なので、初めから粘度指数の高いベースオイルを使えば粘度指数向上剤はあまり使う必要がないのです。
高価で良質なオイルほどSDSを見ると添加剤割合が小さい理由もそれ。
ベースオイルが優れているから粘度指数向上剤が少なくて済む。
粘度指数向上剤の劣化による性能低下の懸念が無くなれば、オイルの寿命も伸ばせる。
逆に粘度指数の低いベースオイルを使っている場合は補うためにどうしても粘度指数向上剤が必要。
なぜなら劣化を見込んでも一定期間はマージン(安全率)を確保しておきたいから。
┃まとめ
粘度指数には二つの文脈があり、
・ベースオイルの粘度指数
と
・製品としての粘度指数
は分けて考えなければいけません。
使われているベースオイルから大きく乖離した粘度指数を持った製品は寿命の面で注意が必要です。
例:鉱物油の製品で粘度指数が160
→ ベースオイルが100前後なので、そこから60も上げるのは粘度指数向上剤が多く入りすぎ。早めの交換が肝要。
例: PAO入りの化学合成油の製品で粘度指数が160
→ ベースオイルの時点で130~140程度あるので、20~30程度上げる分しか粘度指数向上剤は入っていない。ロングライフが見込める。
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