0Wとか5Wとかそんなに厳密か?
- Verior

- 4 時間前
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現代車(←ヒュンダイじゃないよ)に乗られる方の中には、0Wの純正指定に頑なにこだわる方も多く、そうした方による言説でオイルライン(流路)に対する粘度の最適化を聞くことがあります。
エンジン設計者ではないのでオイルラインが実際にどれくらいの寸法で作られているのかは知らないけど、かと言って「だから0Wじゃないとダメなんだ!」って決めつけるほどの根拠を見たこともないので、私なりに思うところを書いてみようと思います。
┃ 0Wにこだわる方の主張 ┃
先ほど書いたように、「もともと純正指定が0W-20だったりするのだから、エンジンもその前提でオイルラインの設計をしているはず」というのがあって、
「そこへ固いオイルを入れたら流動性が悪くなってオイルの供給が遅れたり、果ては詰まったりスラッジになってしまうよ!」
という感じだ思うのですが、共通するのは、<誰一人としてエンジン実機のオイルラインの寸法を測定して古い車と今の車を比較している人はいない>ということ。
もちろん私も知らないよ。
つまり正しい理解の仕方は、「分からない」です。
まずはこの前提に立脚するところからスタートしないと、自分の求めたい方向にバイアスがかかっちゃうから、そこを気を付けるのがまずは肝要だよね。
その上で、各々が考える各要素を検証なり予想なりしていって根拠を固めていけばいいじゃない。
┃ 固さっていっても、どんだけ違うの? ┃
オイルの粘度は指数関数的に変化する性質があって、高温側ほど差が小さく低温側ほど差が大きく出ます。
以前にブログで公開したExcel表を再添付しますので、これを使ってグラフで見てみてください。
例えば同じメーカーの同じシリーズで、0Wと5Wでは低温時にどれくらい固さが違うのか見てみましょうか。
とりあえず適当に思いついたバルボリンを例に挙げてみてみます。
バルボリンでは代表性状を公開しているので、40℃動粘度と100℃動粘度を入力します。
すると他の温度域の時の粘度が算出されて隣のグラフに反映されます。


東京など関東圏での冬季の最低気温が10℃前後なのでここを朝一の始動時と仮定した場合、0Wと5Wで86.67cStの違いがありました。
これが大きいか小さいかの議論はひとまず置いといて、次に、同じ0W同士で別のオイルで比較してみましょうか。
バルボリンにはトップグレードに0W-40っていうのもあってこれも同じ0Wですよね。
それで比較するとどうか。(普段0W-20使ってる人が急に0W-40使うとは思えないけど...)


10℃時の違いが150.73cStと、5Wの時よりも1.7倍近く大きく差が付きました。
さてこの場合、どちらも同じ0Wだけど「ウィンターグレードは純正と同じ0Wの物を使いましょう」って胸張って言えるの?
5W-30の方が粘度差が小さかったけど、それでも「0Wの指定車に5Wはダメ!」って胸張って言えるの?
「ゼ、0W-40が極端なだけだから!(震え声)」
ってなった場合、じゃぁ次は0W-30で見比べてみましょうか。
0W-30なら0W-20ユーザーでも乗り換えてる人多そうだよね。

バルボリンには0W-30が無かったので、代わりにモービル1に出てもらいました。

10℃時の違いが58.93cStと、5W-30の時よりは小さかったですがまだ50以上は差が開いてますね。
┃ 不毛じゃね? ┃
比較品 | バルボリン 0W-20 | バルボリン 5W-30 | バルボリン 0W-40 | モービル1 0W-30 |
10℃時粘度 | 173.88 | 260.55 | 324.61 | 232.81 |
0W-20との差 | 0 | 86.67 | 150.73 | 58.93 |
さて、同じ0Wで3つ比較しましたが、この粘度の開きはいったいどこまでなら許容範囲と言えるのでしょうか?
それを示すことができる根拠は出せるものでしょうか。
0Wだったらとか5Wだったらとか、私はこんな単純な議論に意味はないと考えています。
そんな枠組みで話しても本質にはかすりもしないから。
今回は10℃の比較だからこれでもまだ緩い開きだったけど、北海道や北東北のような冬の最低気温が-10℃を下回るような地域だったら、粘度の開きはさらに顕著です。(Excelのシートの温度を自由に書き換えてみてください。)
トヨタ車のように世界で一番売れている車はロシアやカナダのような寒冷地で使われることもあると思いますが、そんな環境下での流動性に目を向けた比較であるならともかく、日本の環境でしかも関東以西・以南に住む人が0Wだの5Wだので目くじら立ててること自体がナンセンスじゃね?って思うんです。
┃ ちなみにGMでは… ┃
記憶に新しいところで、アメリカのGMが昨年の2025年7月にリコールを出しました。
(日本国内ではキャデラックを対象に)V8 6.2Lエンジンは「純正の0W-20をやめて0W-40を使ってください」という対策でした。
その理由はクランクジャーナルの寸法誤差や表面処理のムラによって焼き付く恐れがあるからとのこと。
先ほどのグラフを見ての通り、0W-40に上げたら低温時の粘度はかなり固くなるんだけど、メーカーが責任をもってそう指定(指示)したね。
焼き付く恐れの回避と低温流動性の確保。
どちらを優先しなければならないかって言えば当然焼き付きの回避なのは当たり前ですよね。
逆に言えば低粘度オイルではその恐れを払拭できなかったということ。
ちなみにアメリカは南北にも広いので、カナダに隣接した北の州なんかは冬は-20℃以下も当たり前の環境です。(アラスカ州は言うまでもなく当然として)
この一件が示唆する粘度に対するメーカーの対応は注意深く捉えなければならないよね。
*
余談ですが、ミネソタ州は会社勤めの頃に一度行ったことがあるのですが、冬になると凍った湖の上にキャンピングカーが押し寄せてきてみんな釣りをして楽しむって言ってました。
私が住む岩手県の盛岡市には岩洞湖(薮川)っていう本州一寒い地域として(ワカサギ釣りのスポットとしても)有名な場所があるのですが、さすがに車の乗り入れはダメです。
アメリカはすげぇな。
┃ オイルのウィンターグレード規格について ┃
最後に、エンジンオイルのウィンターグレードの規格についての説明。
つまらない話だからここは飛ばしてもいいよ。

○Wの数字は低温クランキング粘度やポンピング粘度で決まります。
例えば0Wを満たす要件は、-35℃の時に絶対粘度が6200cP以下であること。
単位が違うところを見てわかるけど、動粘度=流動性(cSt)ではないんだなぁ。
だから固いオイル(例:0W-40)で多少流動性が悪くても、-35℃で一定の固さを下回っていれば0Wの基準を満たせるんだね。
絶対粘度=せん断抵抗(cP:センチポイズ)
と
動粘度=流動性(cSt:センチストークス)
○Wの数字と後ろの数字では捉え方(見る基準)が違うというのは頭の片隅に置いておいて損はないかもしれない。
この議論に乗っかりたい方はぜひコメントで意見をお寄せください。
論争がしたいのではなく、根拠を伴った他の意見も聞いて栄養にしたいのです。
初コメです。30プリウスと軽トラアクティ用に、5w-30を購入させていただいてます。
普通はここでレビューの感想を書きたいとこなんですが、まだveriolに交換しておりませんw
オイル不足と高騰が囁かれる昨今ですので、ちょっと早めに先の2回ぶんだけ、入手に走った次第です。
今現在は、冬に入れたワコーズプロステージ0w-30にSFVを半分添加が稼働中。
プリウスアクティともに基本は0w-20指定ですが、プリウスは13年アクティも8年経過車ですので、
個人的には5w-30までなら、心理的抵抗感もありません。
ただ最新のエコカーで0w-8や16にお乗りの方でしたら、一足飛びに5w-30には、ちょっと行きにくいだろうなあとは思います。
まず不具合にはならないでしょうし、オイル単体の差としては燃費で数%だったりするんでしようが、
エコカーは、荷物の有無とか気温とかタイヤとかオイル粘度とか道路事情とか、
一つ一つは細かい差でしかないけど、積み重なる結果でリッター21キロにも28キロにもなったりするので、
そうした方には、0wのラインナップがある方が購入しやすいだろうなとは思います。
ただそのぶん、エンジン保護性能とか持ちの長さ、今だと入手性や価格とのトレードオフになると思うんで、難しいですね。
0w-8や16のお車で、まだ10年に満たない方は、素直にディーラーのメンテパックで純正を定期的に入れときゃいいとは思います^^