[新商品] 有機タングステン
- Verior

- 1月15日
- 読了時間: 3分
更新日:1月16日
これまで摩擦低減剤&摩耗防止剤として採用してきた二硫化タングステンに代わり、今後は有機タングステンを取り扱うことにしました。
商品ページ
アメリカの添加剤メーカー、KingIndustries社の有機タングステン系FM剤、FM-1191になります。
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FM剤なので当然摩擦低減効果を狙ったものにはなりますが、これを説明する前にまずは有機モリブデンを先に紹介した方が分かりやすいかもしれません。
【有機モリブデンとの違い】
FM剤(摩擦調整剤)で代表的な素材としては有機モリブデンが有名で、摩擦係数を驚異的に減少させることができるので省燃費性を求められるオイルとの相性が抜群です。
(特にカムタペット周りやタイミングチェーンなどの境界潤滑領域で効果を発揮。)
しかし、モリブデンは比較的早い段階(約160℃前後〜)から酸化が始まり、更に高温化が進む(約200℃〜250℃)と今度は熱分解が始まり酸化生成物を作り出しスラッジ化してしまいます。
このことから、燃焼ガス(ブローバイ)に晒されるピストンリング周りでは寿命が早いという、心もとない面もあります。
一方でタングステンの場合は、モリブデンよりも50℃〜100℃も酸化開始温度が高く、熱耐性という面においては大きな優位性があります。
【Verior独自添加のADTCとの相互作用】
私自身こいつの存在をすっかり忘れていました。笑
本商品の有機タングステンは無リン・無硫黄なので攻撃性が低い反面、反応媒体が無い分、温度による反応性が低いという欠点があります。
しかしVeriorのエンジンオイルで標準添加しているADTC(AshlessDialkyldiThioCarbamate)が、その反応性を高めて補助する役割を担います。
ADTCには硫黄を含むため、MoDTCと同じようにタングステンが硫黄と反応することで中温域から二硫化タングステン(WS2)を形成し、その層状の被膜で摩耗から防ぎます。
本領を発揮するのはさらに上の高温域で、先ほど説明したようにタングステンは高温域であっても酸化・分解しないため、高温・高圧によって今度は金属面に酸化被膜(WO3-三酸化タングステン)を形成します。

この酸化被膜はWS2のトライボフィルムよりも強固で、高温・高負荷であっても非常に安定した性質を持ちますので、長期にわたって摩擦低減&摩耗防止効果を維持します。
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【二硫化タングステンとの違い】
これまで採用してきた二硫化タングステン(粉末)と有機タングステン(液体)の違いについて。
《物理的性状》
二硫化タングステン
→ 粉末なので沈殿・凝集を起こす
有機タングステン
→ 油溶性の液体なので良く混ざる。(PAOともOK)
《反応温度域》
二硫化タングステン
→ 高温・高圧領域になるほど優れた潤滑・極圧効果を発揮
有機タングステン
→ 常温域では物理吸着(配位子交換反応)によって、また高温域では酸化被膜(WO3)によって潤滑性能を発揮
《効果の実感》
二硫化タングステン
→ 反応温度が高いため、長距離の走行と時間が必要で遅効性
有機タングステン
→ 低い温度から潤滑性を発揮するため効果は即効性。かつ、酸化被膜形成は遅効性。
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エンジンオイルに対しては有機タングステンのみを。
ギアオイルやグリースには有機タングステン&二硫化タングステン粉末を組み合わせての使用が理想的です。
NA-LUBE FM-1191(W)
Lot No.59633
製造年月日:2025/9/4
タングステン含有率:9.37%
粘度 40℃(cst):26.4
比重 25℃:0.958
引火点:160℃超
いつもサイト拝見しております。有機タングステン楽しみにお待ちしておりました。 お聞きしたいのですが、有機タングステンの説明文の中に {ADTCには硫黄を含むため} とありましたがクリーンディーゼル車への添加は可能でしょうか? 宜しくお願いいたします。