ピストンリングの固着を防ぐ理想的なオイル粘度
- Verior

- 3月30日
- 読了時間: 3分
エンジンを長く使っているとオイル消費が多くなってくることがあります。
こんな場合、ほとんどにおいてピストンリングの固着が原因であることは論を待たない事実でしょう。

↑これはAIに生成させた画像ですが、同様の症状の画像は検索すればいくらでも見つかります。
このオイルリングの固着、その原因となるスラッジ。これはどこから来るのか。なぜここまで蓄積してしまうのか。
もちろんオイル交換頻度も大事ですが、それ以前にオイルそのものにも目を向ける必要はないでしょうか?
実際、検索して調べてると、定期的に頻繁に交換していたにもかかわらず、オイル上がり(オイルリング固着)を発生させてしまったエンジンもありました。
以前に粘度指数に関して書いたブログ(粘度指数の捉え方)で、粘度指数向上剤はスラッジの原因となるしオイルの寿命を縮めるから少ないに越したことはないと書いていました。
粘度指数向上剤はどうしても熱に弱いし、焼けて煤になってスラッジと化します。
熱に弱いのは引火点が低いからです。
引火点が低いのは蒸発性が高いからです。
蒸発性が高いのは成分による差もありますが粘度の影響も大きく受けます。
粘度の柔らかい油脂ほど蒸発しやすくなります。
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エンジンオイルにおいてこれらの要素を踏まえると、
・粘度が柔らかい(蒸発性が高い&密閉性が弱い)
・低温側と高温側の粘度の開きが大きい(粘度指数向上剤が多い)
・精製度が低い(分子が不揃い)
上の要素に当てはまるオイルは、寿命面で見ると不利だということが言えます。
そう考えると、一般的なVHVIベース(100%化学合成油表記)で作られた0W-20以下の粘度は、寿命面でも油膜保護でも物理的に克服しがたい一面を持っていると言わざるを得ません。
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で、逆に理想的な粘度を考えてみた。
・現代車にも使える適度な柔らかさを持ち
・低温側と高温側の粘度の開きが小さく
・精製度の高いベースオイルを使用
そこから導かれた自分なりの答えは意外にも10W-30でした。
今ではあまり見ない粘度ですが、昔は10W-30といえば低品質鉱物油の代名詞と言えるくらい、安オイルの定番グレードでした。
低温側が10Wというのが寒冷地では少し懸念点ですが、そうは言っても-25℃~-30℃でも流動性は担保されていますのでね。

なにより、ここまで粘度の開きが小さいと粘度指数向上剤を使う必要性がないメリットが大きいです。
10Wくらいまで余裕があるとベースオイルそのままで粘度を構築しやすいので添加剤が少なくて済みます。
そしてある程度固いと密閉性が高くブローバイ抜けを防いでくれるのでオイルが熱に晒されにくくなる。
とは言え、燃費の面やコールドスタート時の早期油量供給を考えると、トータル的には5W-30が一番良い落としどころなのかもしれませんね。
一応、コールドスタートの金属保護には有極性ベースオイル(エステル,アルキルナフタレン)の併用でカバーすることもできますし、Veriorのオイルではすべて含まれています。
これらの要素を踏まえたうえで、当社のオイルで言えばVerior O(10W-30)がおすすめです。
ノンポリマーであり、ACEA E7取得の高HTHSベースオイルで、清浄性が高いロングライフ仕様に作っています。
車の説明書で純正指定粘度に10W-30がカバーされているようなちょっと古い年式の車には、冬季以外の季節はこちらを使ってみてほしいと思います。
感触から伝わると思いますが、安心感がまるで違います。
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